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商品化の第1号は「アタック ZERO」花王が取り組む【つめかえパックの水平リサイクル】の最前線

みなさん、こんにちは!花王 公式note編集部です。
いきなりですが、ちょっと嬉しいご報告をさせてください。満を持して

このたび、こちらの商品が数量限定で発売になりました!感無量です。

2023年5月29日発売 「アタック ZERO」
(※一部店舗にて数量限定発売)

…え? 普通の「アタックZERO」のつめかえ用じゃないかって?
はい、確かに中身は通常品と同じ「アタックZERO」です。
注目していただきたいのは、この商品の『フィルム容器(つめかえパック)』のほう。
残念ながら今回は、中身の洗剤のお話はこのあと一切出てきません。
ごみゼロに本気で取り組む花王が進めてきた、使用済みつめかえパックを新たなつめかえパックにまた生まれ変わらせる「つめかえパックの水平リサイクル」についてご紹介します。
この取り組みを推進する、リサイクルプロジェクトのグループリーダー・平松研究員を取材しました。



業界的にも「難しい」と言われていたことに挑戦!

<プロフィール>
平松 忍(ひらまつ・しのぶ)
1993年花王入社 包装技術研究所 
リサイクルプロジェクト

——一瞬見ただけでは、どこにでもある普通のつめかえパックに見えるのですが…?

平松:パッと見ただけでは、違いに気づくのは難しいですね(笑)。
実は、このつめかえパックのフィルムの中には、回収した「使用済みつめかえパック」が一部含まれているんです。意外に思われるかもしれませんが、この「使用済みつめかえパック*1を、新たなつめかえパックへと変える“水平リサイクル”*2」は世界初!*3の取り組み。
新たなつめかえパックに生まれ変わらせる、ということでその名も「おかえりつめかえパック」です。 

*1 金属箔層を有する樹脂層を含むパックと金属蒸着層を有する樹脂層を含むパックの両方が含まれる
*2 金属箔層を有する樹脂層を含むパックを除去し、金属蒸着由来の金属粒子を含む新しいつめかえパックのリサイクル
*3 国際出願WO2022 / 124146A 請求項14を根拠に「世界初」を表現(国際調査機関が新規性ありと見解)

平松:つめかえパックの水平リサイクルは簡単そうに見えて、長年業界的にも難しいことだとされてきたのです。多くの社内外の協力もあって、困難を乗り越えながら、このたびようやく商品化にまでこぎつけることができました。
我々にとっても、業界・社会にとっても“待望の”商品化だと信じています。


つめかえパックも最後はゴミになる。この「あたりまえ」を変えたかった

——世界初だったとは!でも、つめかえパックでつめかえて使えば、すでに環境配慮になるのでは…?

平松:花王は約30年前からつめかえ用商品を販売しており、「つめかえる」習慣が根付くきっかけになったと思います。確かに、つめかえパックで中身をつめかえれば、本体ボトルを毎回買って使うよりも、プラスチックの使用量を大幅に削減できるので大変優秀な存在です。しかし、つめかえ終わったらつめかえパックだって「プラごみ」になってしまう。私たちはこの「あたりまえ」を何とか変えたかったのです。

つめかえパックの水平リサイクルに奮闘する研究員へのインタビュー記事も
ぜひご覧ください!



外見は今までとほぼ同じ。だけど内側をよーく見ると…

——本当に使用済みつめかえパックがこの中に入ってるんですか…?

平松:ちゃんと入っていますよ。表面を見るだけでは分かりづらいですが、つめかえパックの内側のフィルム色を、通常品とよーく見比べてみてください。

ほんのり緑がかってみえるのが分かりますか?
これが使用済みつめかえパックが含まれている証、いわば“名残り”ですね!

通常品(左)に比べ、フィルム内側の色が
ほんのり緑がかっている「おかえりつめかえパック」(右)



なかなか商品化できなかった、つめかえパック特有の課題 とは

——商品化にたどり着くまでの苦労のなかで、特に印象に残っているのは? 

平松:たくさんありすぎて選びきれないですが、ひとつ挙げるとするなら、量産化しようとする際に生じてしまった「表面の凹凸」です。これが終盤の大きな課題でした。

つめかえパックのフィルムは薄いのですが、1種類の素材でできているわけではないんです。ポリエチレンを中心に、ポリエステルやナイロンなど様々な異素材が層のように構成されてできています。その理由は、温度や湿度、紫外線などから中身(内容物)をしっかり守る必要があるから。
どうしても単一素材では作れず、こうした多層構造になっています。

これこそが、つめかえパックの水平リサイクルを難しくさせる大きな要因でもありました。形にしてみると、使用済みつめかえパックに含まれていたナイロンやPETが小さな塊になり、「表面の凹凸」につながってしまったのです。
 
解決するために、使用済みつめかえパックを溶かす時に融点の違うそれぞれの素材にとって最適な温度を探ったり、あとはレーザーフィルターを用いて目の細かい“ふるい”にかけて異物をろ過したりと、こうして形になるまで、チーム一丸となって本当にたくさんの失敗と試行錯誤を繰り返してきました。

研究員の奮闘ぶりが分かりやすい動画に!こちらもご覧ください。



プラスチックが資源として循環し続ける。そんな未来をつくりたい

——たくさんの方に手に取っていただきたいですね。今後の展望は?

平松:そうですね、お客さまに実際に見て・触れていただけるのがとても楽しみです。
でも、これでゴール!ではないと思っていて、まだ一歩を踏み出したところ。
「ごみゼロ」社会をめざして、使い捨てるプラスチックの量を減らし、さらにそれを循環させ繰り返し使えるような未来をつくることが最終的な目標です。まだまだ課題はたくさんありますし、引き続き頑張ります!



編集部よりあとがき

PR担当として仕事柄、新発売のニュースをお知らせすることは多いのですが、今回のニュースはその中でも特に「知ってほしい!」「ようやく商品化できたよ!」と、心の底から湧き上がるものがありました。
この取り組みは、花王だけが頑張れば良いというものではないのです。お買い物のとき、お客さまには「つめかえパック」を選んで買っていただくのもとっても大切◎!
さらに業界全体で、様々な会社の皆さまとともに、これからも一緒に進めていきたい取り組みだと思っています。
 
いつか、この取り組みがスタンダードになる日をめざしてさらに花王も頑張ります。


◆花王公式YouTubeでも分かりやすくお伝え中!


◆花王社内でも使用済みのつめかえパックを積極的に回収しています。


◆花王では、化粧品ボトルの水平リサイクルにもチャレンジしています。こちらも併せてご覧ください。



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