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実現不可能と言われていたつめかえパックのリサイクルが動き出した!

みなさん、こんにちは!花王 公式note編集部です。
突然ですが、今回は商品の“中身”ではなく「つめかえパック」のお話です。
ほとんどの方が、洗たく用洗剤、シャンプーなど、つめかえパックで中身をつめかえた経験があるのではないでしょうか。
つめかえパックは本体容器に比べてプラスチックの使用量が少なく、地球にやさしいということは皆さん想像できると思います。しかし、技術的にリサイクルが難しく“つめかえ終わったら捨てられてごみになってしまう”のが現状です。
そして、「なんとかしてその現状を変えたい!」という想いから、花王の社内にチームが立ち上がりました。
プラスチックごみゼロの実現をめざして、“つめかえたら捨てる”が当たり前のつめかえパックのリサイクルを可能にし、新たな「再つめかえパック」を生み出す取り組みを開始しています!
長年にわたり、実現不可能と言われてきた、この「つめかえパックの水平リサイクル」の取り組みに挑戦する立浪忠志研究員にお話を聞きました。

日用品に多く使われているつめかえパックを、リサイクルしない手はない

<プロフィール>
立浪 忠志(たちなみ・ただし)
包装技術研究所 リサイクルプロジェクト 
2018年より、フィルム容器のリサイクルの研究に携わる

――研究のきっかけを教えてください。

立浪:花王が最初のつめかえ用製品を発売したのは1991年。その後、アイテム数は年々増え、2020年12月時点の花王におけるつめかえ・つけかえ用製品は370品目に。つめかえによってプラスチックの使用量を削減できるのですが、つめかえた後はあたりまえに捨てられています。包装容器を研究する身として、このあたりまえを変えたいと感じていました。
使用済のつめかえパックをリサイクルして再び製品として活用できれば、これらのプラごみを大幅に削減できるはずだからです。

――難しい研究だと聞きました

立浪:つめかえパックのフィルムは、薄さ100~150マイクロメートルの中に、5~9つの複合素材が使用されていたり、それが何層にも重なっていたりします。中身の剤を長期間変質させないように守る必要があるので、つめかえパックはこのようにとても複雑な構造になっているのですが、これこそがつめかえパックのリサイクルが困難を極める最大の理由です。
PETボトルのように単一素材から成り立っていれば、比較的リサイクルは簡単なんですけどね…。

――長年、実現不可能だと言われてきたのはこの複雑な構造のためだったのですね…!

立浪:そうなんです。技術的にも非常に難しいと言われていましたので、正直、自信はあまりありませんでした。しかし、やっぱりこのままじゃいけない!という想いから、あきらめるわけにはいかないと思いました。

「つめかえパック」リサイクルのためだけに大規模な実証設備を建設&稼働

――そこで、あの大規模な設備が作られたのですね。

立浪:はい、すでに和歌山工場内で稼働しているんです!この実証設備は、回収した使用済みつめかえパックに「洗浄」・「裁断」などを施し、再びつめかえパックへ生まれ変わらせる設備です。

回収した使用済みつめかえパックを生まれ変わらせる工程


――これで、つめかえパックのリサイクルが本格的に始まったわけですね。

立浪:私たちもそう思っていたのですが・・・
当初、私たちが最も頭を抱えたのが、「実験のための使用済みつめかえパック不足」。社内から集めるだけでは、圧倒的に数が足りなかったのです。
その後、他企業・自治体・流通のみなさまの協力を得られまして、累計約73万枚もの使用済みつめかえパックを回収できました。私たちチームは、その一部を活用させていただいたのです。おかげさまで、今ようやく再つめかえパックの試作品が完成する段階まで来ました。


苦労の末にたどりついた「透明」

――これまでに、とんでもない試作品ができあがったこともあったそうですね。

立浪:ありますね。まぁ研究に失敗はつきものなのですが(笑)。
中でも2つ、特に乗り越えるのに苦労したことがあります。

一つは、「穴あきだらけのフィルム」が出来上がったことです。これでは、製品化はできません。
元のつめかえパックに含まれるアルミ箔や印刷部分のインクが、リサイクルしようとすると異物となって邪魔をしてしまったことが原因でしたが、異物を細かくする技術をさらに研究し、解決しました。

不均質な再生フィルム

もう一つは、再つめかえパックの色が「緑色」になってしまったことです。
これは、元のつめかえパックの印刷部分の影響によるものでした。再つめかえパックの色がすべてこの色になってしまうと、商品デザインの幅を狭めてしまうので、なんとかして色を薄く・透明に近づけるように試行錯誤を重ね、現在、色を薄くした試作品までたどり着きました。

左は、緑色になった初期段階の試作品
右は、透明に近づいた試作品
見やすくするため、どちらにも水色の液体を入れてます


“プラスチックごみゼロの実現をめざす”これからの目標

――どんな未来を思い描いていますか?

立浪:プラスチックごみゼロの実現をめざして、まずは、つめかえたら捨てる、そんなつめかえパックの運命を変えたい!と思っています。それができれば、プラスチックの循環社会にむけて、一歩前進するのかなと。
そのために、まずはこの試作品の再つめかえパックを、安定的に量産化させ、商品化を実現できるようにチーム一丸となって取り組んでいます。

ただ、つめかえパックのリサイクルは私たち花王だけでは絶対に成し遂げられないことです。使用済のつめかえパックの回収にお客さまが協力しやすい仕組み作りも同時に検討しています。


編集部よりあとがき

2022年4月から、「プラスチック資源循環促進法」も施行されました。つめかえパックの水平リサイクルについては、ますます、注目される技術だと感じます。つめかえ製品を選んだり、機会があれば容器の回収に協力したり、小さなことでもできることを考えていきたいです。
なお、こちらの内容は、花王YouTube「Kao Do it !」で、分かりやすく、紹介しています。ぜひご覧ください。


◆最新の花王のエコへの取り組みについてはこちらでご覧いただけます。

◆花王では、化粧品ボトルの水平リサイクルにもチャレンジしています。こちらも合わせてご覧ください。


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