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「お弁当づくり卒業証書」動画コンテンツへの想いに迫る!
今年も迎える卒業シーズン。ドキドキ、ソワソワしている方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。そんなお子さまの卒業の裏に、実はもう一つの「卒業」が隠れているのをご存じですか?それは、「お弁当づくりの卒業」です。
時には外がまだ薄暗いうちから、時にはうだるような暑さの中で。空っぽのお弁当箱にたくさんのエールをつめこんでお弁当づくりをがんばってきたすべての方々に、キュキュットは「毎日のお弁当づくり、お疲れ様でした。」という思いを込めた「お弁当づくり卒業証書」企画を展開しています。
花王 キュキュット 卒業証書~お弁当をつくってきた、あなたへ~
URL:http://youtube.com/watch?v=cBtA5a6r4l0
「お弁当づくりの卒業をお祝いしたいと思った時、キュキュットというブランドの、『食器の汚れを落とす』だけでなく、キッチンで起こる家事のストレスやモヤモヤに寄り添い、多くの人が毎日を明るく前向きに過ごせるように、という想いが重なると思ったんです―――」そう語る、この企画の発案者である作成センターの杉本健、企画に携わった同じく作成センターの田中順子・田中美璃に、想いを聞きました。
きっかけは偶然見つけたSNS投稿「高校最後のお弁当」
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<プロフィール>
作成センター第1ブランドクリエイティブ部所属
杉本健(すぎもと・けん)2008年入社。2018年に本企画を発案。
田中順子(たなか・じゅんこ)2010年入社。2022年より本企画に参画。
田中美璃(たなか・みり)2018年入社。2024年より本企画に参画。
—–「お弁当づくり卒業証書」企画のきっかけはなんだったのですか。
杉本:高校生のお子さんをもつお母さんの、あるSNS投稿を偶然見かけたことがきっかけでした。お子さんが高校最後のお弁当箱に、「いままでお弁当づくり、ありがとう。」という手紙を添えて戻してくれたという内容でした。ふと自分の学生時代を振り返ると、自分は「最後のお弁当」が、それが「最後」だったことに気がつかないまま卒業してしまっていたなと…。そのとき、「もしかしたら他にもそういう方がいるかもしれない。」と思いました。また、お弁当をつくっている方自身も、「最後」ということを意識しないまま、気がついたら過ぎ去っていた、という方も多いかもしれません。そんな方たちに、お弁当づくりにも卒業がくる、ということを気づいてもらうきっかけを作れれば、と思い企画しました。
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—–お弁当をつくり続けるのって、本当に大変なことですよね。どんな思いで企画を提案したのでしょうか。
杉本:お弁当づくりをしているすべての方が、「自分がやってきたことってすごいことだったんだ。」「つくってきてよかったな。」と、少しでも前向きな気持ちになったり、自分を労うきっかけになったらいいな、という想いから、この企画を提案しました。キュキュットの「食器洗いから、毎日と未来のくらしを、もっと前向きに。」というブランドパーパスにも合致すると思いました。
“海苔”でつくった卒業証書からスタート
—–企画のスタートは2018年春、1冊の雑誌見開き広告だったのですよね。
杉本:はい。ご飯が敷き詰められたお弁当に、海苔を使って柄や文字を描いたビジュアルを制作しました。雑誌の見開きだとちょうど両手が雑誌の両端を持つことになり、まさに卒業証書を受け取るシーンを再現できるかも…と思い、まずは生活情報誌1誌からスタートしました。
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なんと、 本物の海苔をレーザーカッターで裁断してのせるという地道な作業…!
—–反響はありましたか?
杉本:「偶然美容院で見て、涙がでました。」「素敵な広告でした。」という嬉しいお声をSNSで見かけ、共感してくださる方がいて、とても嬉しい気持ちになりました。卒業シーズンは毎年訪れるので、今後もずっとこのメッセージを届け続けようと決意し、翌年以降は、住宅街や高校のある駅でポスター広告なども展開しました。
「リアル」にこだわった動画制作
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—–新メンバーも加わり、新たに「動画」制作にチャレンジした際の想いを聞かせてください。
田中順子:わたし自身、子どもにお弁当を作っていた経験があったのですが、作っても誰にも褒められない虚しさを少しだけ感じていました。(笑)それもあって、「私たちがんばっているよね。」というエールを、もっと多くの方に届けたいという気持ちがありました。
WEBでは静止画で文字をじっくり読むよりも、動いているもののほうが目に留まりやすいかもしれない、と思い、動画の制作を提案しました。
—–動画の制作はどのようにして行ったのですか?
杉本:3人でスーパーに買い出しに行って、私の家で撮影しました!(笑)
—–まさに手づくり動画ですね!こだわったポイントはありますか?
田中美璃:できるだけ「完璧すぎない」お弁当づくりを再現しました。彩り豊かで映像映えするようなお弁当も素敵だけど、もしかしたら、誰かのプレッシャーになってしまうかもしれない―――それだけは避けたいと思いました。夕飯の残りものや冷凍食品を電子レンジで温めるシーンも取り入れるなど、可能な限り「リアル」を追求しました。
杉本:学生時代に、親に「今日は焼きそば弁当でごめんね。」って言われたことがあって。でも、焼きそばだって、冷凍食品だって、自分からしたらおいしいお弁当でした。無意識かもしれないけど「ごめんね」と言っていた親の気持ちを今考えると、「お弁当はこうあるべきだ」という思い込みがあったのかなと…。でも、朝からお弁当をつくってくれること自体がすごいことなんですよね。それを素直に表現できたらなと思い、こだわりました。
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リアルを追求するため、社員たちの「普段のお弁当」の写真を集めました!
さまざまな世代に届けたい想い
—–動画を公開して、どんな反響がありましたか?
田中順子:お弁当づくりを卒業されたばかりの方からの反響が、やっぱりすごく大きかったです。「息子のお弁当、まさにエールを詰めるような気持ちで作りました。」「毎日大変だなぁと思いながらも、子供のことを思いながらがんばった。」「やっと終わって嬉しいけど、さみしい気持ち。」など、動画をきっかけにさまざまな想いをSNSなどで寄せてくださりました。
—–私は、実家の母のことを思い出しました。毎日早起きしてお弁当をつくってくれて、本当にありがたかったな、もっと感謝すべきだったな…と。
田中美璃:そんな風に、さまざまな世代の方の心に届いてくれると嬉しいです。小さいお子さんに、今まさにお弁当をつくっている最中だという方からは「大変だけど、これがいつか思い出になる日がくるからがんばろうと思えた。」という声もいただきました。
今年お弁当づくりを卒業する方だけでなく、ずっと昔に卒業した方、遠い未来に卒業を迎える方、それぞれの想いの中で、大切な人を思い出したり、「大変だけどがんばろう」「お弁当づくりってすてきだな」と思っていただけたら嬉しいです。
がんばってきたあなたと、がんばってきたお弁当箱のそばに
—–この企画を通して叶えたい、夢はありますか?
杉本:卒業式のように「お弁当づくり」にも”節目”があることをみんなが認識して、みんなで祝ったり感謝しあったり…。そんな風に、いつか「最後のお弁当の日」が「お互いに感謝を伝えあう日」として、みんなにとって当たり前の文化になるといいなと思います。
田中順子:最後のお弁当に感謝して、そしてまた自分もいつか感謝される立場になる…そういうサイクルで繋がっていけると素敵だなと思います。
杉本:これからも、がんばってきたお弁当づくりのそばに寄り添い続け、キュキュットというブランドを通じて、毎日のくらしをもっと前向きにすることを叶えられたらと思います。
編集後記
この動画を初めて観たとき、自分の母への感謝と同時に、今はまだ小さい我が子にいつかお弁当をつくる日々がくるんだ、と、過去と未来、両方について考える不思議な感覚になりました。
作成センター担当者たちの熱い想いが込められた「お弁当づくり卒業証書」に触れ、1人でも多くの方が、それぞれの「お弁当」について想いを馳せるきっかけになれば嬉しいです。