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わずか1グラムの挑戦で、なんと!60トンものプラスチック削減を実現。

みなさん、こんにちは!花王 公式note編集部です。
洗剤やシャンプー、ボディケア用品などの商品についているプラスチック製のあのペラペラシール、ご存知ですか?花王では「アイキャッチシール」と呼んでいました。
「プラスチックごみを減らす」取り組みのひとつとして、花王では商品についているプラスチック製シールを廃止する取り組みを続けてきました。
ただ、必要なものでもありながら、その一方で購入後はごみになるジレンマを抱えていた、このプラスチック製シールの廃止。一見簡単そうだけど、単純にシールをなくすだけでは終わらない困難やチャレンジについて 、プロジェクトの中心人物である事業ESG推進部の遠藤辰也に聞きました。

この“ペラペラ”のシールは生活者にも重要なもの

<プロフィール>
遠藤 辰也(えんどう・たつや)
グローバル事業推進センター 事業ESG推進部
1987年花王入社。
おもに販売部門にて販売マーケティングの業務に従事。
2020年より、「プラスチック製アイキャッチシール撤廃」プロジェクト推進に携わる。

――なぜ商品に、プラスチック製シールがついていたのですか?

遠藤:この商品に直接貼ってあるシールには、お店で商品特長や正しい使用方法をわかりやすく伝える、誤購入・誤使用・誤開封を防ぐなど、生活者の皆さんにとって重要な情報や機能がありました。また、お店で商品を目立たせる目的もありました。


重要な「情報」も、実はプラスチックごみになっていた!

――重要なシール。なぜなくそうと思ったのですか?

遠藤:購入後、シールは不要になってしまいます。皆さんも、使用する前に、わざわざシールをはがして捨てた経験があるのではないでしょうか?
花王では、「プラスチックごみゼロ」に向けた取り組みの一環として、2020年春に「2021年末までに<プラスチック製アイキャッチシール全廃>」という目標を掲げ、宣言通り2021年末に、海外含め花王グループ全体で達成しました。

――どれぐらいのプラスチック量が削減できたのですか?

遠藤:花王では年間で660種類もプラスチック製シールを生産していました。一枚当たりはわずか1グラム以下の薄く軽いものなのですが、全廃することで60トンもの削減になりました!
この一枚一枚を積み重ねることで結果的に環境に対して大きな成果になったと思います。
ちなみに、この60トンというのは、例えば……花王のメリットシャンプーのポンプボトルに置き換えてみると、約100万本分の重さに相当します。

「シールをなくす」。簡単そうに見えて、そこにはさまざまな葛藤が。

――「シールの廃止」は、そんなに大変なことだったのでしょうか……?

遠藤:「ペラペラのシールだし、外してしまえばいいんじゃない?」と一見簡単そうと思われるかもしれませんね。しかし、廃止には、乗り越えなければならないハードルがたくさんありました。

――どのようなハードルがあったのでしょうか?

遠藤:シールに含まれていた大切な情報を、どう生活者に伝えるかが最初のハードルでした。
そのためにまずは、商品のデザイン自体を改良することに取り組みました 。シールに書かれていた情報を、商品に表示するために、デザインの再構築が必要でした。限られた範囲の中で情報過多にならないように、既存の情報を小さくしたり、外したりしなければなりません。伝えたい情報の優先順位を整理して工夫しました。

また、生活者にとって、とても重要な情報(誤購入・誤使用を防ぐ注意表示ラベルや開封防止シール)については、一概にシールを廃止するのではなく、素材を紙製に変えて対応しました。


生活者といっしょに未来を考えたい

――このチャレンジを成し遂げた、原動力は何ですか?

遠藤:花王は、生活者のみなさんに「毎日のくらしの中で使用する製品」を提供する企業です。私たちは「商品をつくることの責任」として、地球環境を守ることを意識しなければいけないと強く思っていました。
そのため、真っ向から「プラスチックごみゼロ」に向き合わなければならない!先陣をきってやらなければならない!そんな強い意思を持って取り組んできました。

――生活者からの反応はいかがですか?

遠藤:「日用品含めて全部の商品でなくなればいいのに」「とても良い取り組み」「ごみを捨てる手間が省けた」 というお声をたくさんいただいています。

――最後に、これからの想いを聞かせてください。

遠藤:今回の取り組みで、プラスチック製シールの存在は、必要なものでもありながら、その一方で購入後はごみになっていたジレンマを1つ解決できたと思っています。
そして、ゆくゆくは、同業他社、そして他業界へと、このような取り組みが拡がっていけばいいなと願っています。
地球環境の未来に向かって、生活者のみなさんといっしょにこれからも取り組んでいきたいですね。


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