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誰もが自由に美を求め、語り合える社会をめざして

「なぜ男性は堂々と化粧直しができないのか」
若手男性社員が感じた社会への違和感をきっかけに、2022年12月、男性用化粧品ブランド「UNLICS(アンリクス)」は誕生しました。

“美”を求める男性に寄り添った化粧品があったらいいのに。
性別問わず、もっと美を語れる世の中であったらいいのに。

そんな思いを持つUNLICSの商品開発担当の李・宮尾、PR担当の岩田に、ブランドにかける想いや、ブランドを通じて叶えたい未来について聞いてみました。


男性だって美しくなりたい。その気持ちを後押しするブランドを作りたい

左から宮尾、李、岩田

<プロフィール>
宮尾 健吾(みやお・けんご)
2020年 カネボウ化粧品入社 
入社以来、主にスキンケアブランドの商品開発を担当。UNLICSのブランド立ち上げに携わったのち、現在は他のベースメイクブランドの商品開発に従事している。

李 賢世(り・ひょんせ)
2016年 カネボウ化粧品入社 ドラッグストアチェーンの営業担当やマーケティング担当を経験したのち、現在はUNLICSの商品開発に従事している。

岩田 敦紀(いわた・あつき)
2020年 カネボウ化粧品入社 入社以来、メディア担当として複数の化粧品ブランドのコミュケーションに携わり、2022年からはUNLICSのPR担当も兼務している。

——「UNLICS」は、若手男性社員が、社内でメイク直しをしていたときに感じた違和感をきっかけに生まれたブランドということですが、3人は化粧品を使うことに関して、違和感を抱いたことはありますか?

李:私は子供の頃から母がスキンケアをしてくれた影響もあり、日常的に化粧品を使ってきました。中学生ごろには、ニキビ跡を隠すのにコンシーラーなども使うようになりました。でも、当時は、メイクをしていることは「絶対にバレたくない」と思っていました。肌をきれいに見せたいだけなのに、男性がメイクをするのは理解されにくい、と感じていました。

岩田:“肌をきれいに見せたい”“かっこよく思われたい”と思い、学生の頃からメイクをするようになりました。メイクをしていることは隠していませんでしたが、化粧品売り場に行くと当然ながら女性ばかり。「男性の自分は、ここにいてもいいのか?」という気持ちになっていました。

宮尾:“きれいになりたい”と想う男性に向けた商品が、少なかったようにも感じます。これまでの男性向け化粧品は、オールインワンで時短・メントール配合で清涼感がある・テカリを防ぐ、が主流で、「美を叶える」よりも「清潔感を保つ」という位置づけのものが多かった印象です。もっと化粧品を楽しみたいのに・・・と感じていました。


——3人とも様々な想いがあったのですね。経験を踏まえて、UNLICSではどのようなことを実現したいと考えていますか?

岩田:私自身、化粧品を使うようになって肌がきれいになり、周りからも「きれいになった」「かっこよくなった」と言われることが増え、性格も前向きになりました。なので、私みたいに純粋に“きれいになりたい”と思う男性の背中を押すことができたらうれしいなと思っています。

李:美意識の高いZ世代の男性は、女性向けのものを使っても、男女兼用のものを使っても、「自分にぴったりの商品が見つからない」と思う方が多いようです。UNLICSは、男性の肌に合うもの、かつ、男性が求める美を叶えるブランドにしたいです

宮尾:私は、男性にももっと化粧品を楽しんでもらいたいと思っています。スキンケアって、“単なる作業”ではなく、“自分と向き合う大切な時間”だと思うんです。なので、香りや感触なども含めて、楽しめる要素を大切にしたいです。



肌データをもとに導き出した、男性の美を叶える処方

——ブランド立ち上げに際し、苦労も多かったのでは?

李:そもそもZ世代男性に向けた化粧品ブランドを立ち上げるというのが、初めての試みでした。なので、Z世代男性が「どんな肌実態なのか」「どんな肌を理想としているのか」などデータが社内にほとんどなくて…。まずは情報を集めるのに、かなり苦労しました。

宮尾:調査やヒアリングを重ねた結果、男性がめざす「きれいな肌」が、「キメが細かく、やわらかく、明るく、透明感のある肌」であることにたどり着きました。一方、研究データから、男性の肌は「水分が少ない」「赤暗く見えやすい」ということもわかりました。

集めたデータをもとに、どんな処方が男性の肌に合うのか、どんなキャッチコピーが響くのかなど、ゼロから検討。何度も議論を重ね、まさに試行錯誤の毎日でした。若手男性社員や美容感度の高いインフルエンサーの意見も取り入れて、商品をじっくりと丁寧につくり上げていきました。
大変なことも多かったですが、同時に大きなやりがいも感じていました。


——具体的にはどんな商品が?

化粧下地「インプレスカラーウェア」

李:第一弾として発売した商品のひとつが、4色ラインアップの化粧下地「インプレスカラーウェア」です。例えば、肌全体に透明感を出したいときにはブルー、ひげやクマが気になる部分には、オレンジを使って青みをカバーするといった使い方ができます。男性の肌を考え抜いてこそのカラーバリエーションで、“なりたい肌をめざせる商品”なんです。
 
男性にとってベースメイクは少しハードルが高く感じるかもしれませんが、初心者の方でも使いやすいよう、なじみやすい色・ひと塗りできれいにのび広がる設計にもなっています。

化粧下地「インプレスカラーウェア」を手にのばす李

宮尾:私が特に気に入っているのは、美容液「セラムme」です。美容液って、男性からすると“本格的な美容”というイメージがあると思うんです。でも、使いたいと思って、化粧水、美容液、乳液、と複数のアイテムを重ね付けすると、べたつきが気になる。そこで、乳液と美容液の充実感を兼ね備えた商品を考えました。

美容液「セラムme」

さらに、男性の肌悩みを調査したところ、「脂っぽく、テカる」「乾燥が気になる」「ニキビ・肌あれを防ぎたい」など、大きく5タイプに分類されることが分かりました。そこで、悩み別に5種類のラインアップに。“男性の肌に本気で向き合う美容液”です。

美容液「セラムme」を手にのばす宮尾



リアルとオンラインのアプローチで、ブランドの魅力を発信

——ブランドを知ってもらうためのアプローチ方法は?

岩田:Z世代はネットでの情報収集が主流なので、ブランドサイトやSNSでの情報発信に注力しています。ただ、情報があふれる今の時代に、どうやったらZ世代に響く発信ができるのか、かなり悩みました。
こだわったことのひとつが、ブランドサイト内のUXツール「UNLICS BEAUTY DIG-TIONARY」。26種類のLOOKを提案していて、180度回転や超解像度ズームをしながら、自分が求める美容テクニックを知ることができるんです。メイク経験者はもちろん、これからメイクを始める方でも分かりやすいように丁寧な解説を心がけました。
 
また、商品にかける想いを直接伝えるために、私自身もInstagramで商品紹介をしています。担当者が登場することで、ブランドへの親近感を持ってもらえたらなと思っています。

インスタライブを行う岩田

UNLICSはECのみでの販売ですが、これまでも体験型ストア「b8ta(ベータ)」さんを活用したり、美容院での商品体験会を実施したりと、ブランドや商品の魅力を直接お伝えする場も用意してきました。今後もお客さまと直接関われるようなイベントを実施するなど、リアルとオンライン両軸でコミュニケーションを図っていきたいです。



誰もが自由に美を語り合える世の中に

——最後に、発売後の反響や今後の展望について、3人に語ってもらいました。

宮尾:商品を使った方からは、「商品コンセプトを知り、背中を押してもらった感覚」「開発ストーリーに共感した」「メイクをやってみようと思った」などのコメントをいただき、商品だけでなくブランド誕生の背景にも賛同してもらえたことが、本当にうれしく思います。

岩田:今後もより多くの方にブランドを知ってもらえるよう、商品を体験できる場を増やしたり、メイクセミナーを実施したりなど、お客さまとの接点を増やしていきたいです。

李:商品としては、今後ベースメイクのラインアップを増やし、美を追求する方が満足する商品をそろえていきたいと思っています。ただ、誤解してほしくないのは、私たちは男性全員にメイクしてほしいと思っているわけでないんです。化粧品を使いたい人が自由に楽しめる、そんな世の中になったらいいなと。これからも、誰もが自由に美を求め、語り合える社会をめざしていきたいと思います。



編集後記

取材を通して、3人の“化粧品を語る熱い姿勢”がとても印象的でした。3人の化粧品への想いやこだわりがたくさん詰まった「UNLICS」、より多くの方に興味を持っていただけたらうれしいです。


◆「UNLICS(アンリクス)」公式サイト



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