泡もちがいいのにすすぎが早い⁈食器用洗剤「キュキュット」で節水に貢献
どれだけ汚れ落ちがよい洗剤でも、すすぎ時に限りある資源である「水」をたくさん使うのはもったいない。その「もったいないを、ほっとけない。」という想いから、すすぎの水を減らすことに成功したのが、食器用洗剤「キュキュット」です。
キュキュットを使えば、毎日の食器洗いでのすすぎの水が約20%※も節水に!
※キュキュット(ファミリーコンパクトとの比較)
※使用状況により異なります
洗浄力に直結する「泡もち」を向上させつつ、手早くすすげるよう「泡切れ」をよくする。この相反する性質を両立させ、さらなる進化を求めて開発に取り組んでいる、ハウスホールド研究所・研究員の大村に、日々のチャレンジやこだわりについて聞きました。
毎日の食器洗いで、すすぎ時に約20%※の節水に!
——まずは従来の食器用洗剤と比べたときの、キュキュットの特長を教えてください。
大村:キュキュットは、洗っているときの「泡もちのよさ」と、すすいでいるときの「泡切れのよさ」の両立を追求したことで、「たっぷりの泡で素早く汚れを浮き上がらせ、すすいだ瞬間に、キュキュッと指先で確かな洗い上がりを実感できる」ところが大きな特長です。
——泡切れがよいということは、その分、節水にもつながるということですね。
大村:おっしゃるとおりです。花王では、SDGsが注目されるようになる前から、地球環境に配慮して節水につながる製品の開発に取り組んできました。2014年の改良から、圧倒的な泡切れのよさを実現し、節水に貢献することに成功。キュキュットはすすぎ時に約20%※の節水ができることがわかっています。
※キュキュット(ファミリーコンパクトとの比較)
※使用状況により異なります
——約20%の節水って、どのぐらいの量になるんですか?
大村:東京都水道局の情報によると、食器を洗う際に水を5分流しっぱなしにすると、60L程度の水が使われるとのこと。それがすべてすすぎに使われたと想定すると、20%とは約12L。2Lのペットボトルで表すと6本分の節水になります。
苦労したのは「泡もち」と「泡切れ」という、相反する性質の両立
——「泡もちのよさ」と「泡切れのよさ」は、相反する性質ですよね。その両立は困難を極めたのではないでしょうか。
大村:実際のところ、汚れ落ちの効果を高めようとして「泡もち」をよくすると、すすいでもなかなか泡が消えません。そこはトレードオフの関係なんですね。そのバランスをうまく調整することに、とても苦労しました。
その開発の過程で着目したのが、洗浄中とすすぎ時の洗剤濃度の違いです。
洗剤の濃度は、洗浄中は濃く、すすぎのときは薄くなりますよね。その濃度の違いを利用して、それぞれのタイミングで働きやすい特長を持った複数の界面活性剤を組み合わせました。その結果、洗浄中は豊かな泡が持続するけれど、すすぎのときは水が加わることで泡が不安定化し、さっと消えていくという機能を盛り込むことができました。
界面活性剤の濃度がコンマ数%違うだけでも、汚れ落ちや泡質が影響を受けてしまうので、すべての性能を立たせるというところが、難しいところでした。実験で少なくとも、500を超える組み合わせのパターンは試したと思います。
めざしたのは、「環境を考えた節水」と「快適な食器洗いの実現」
——今年2月のリニューアルでは、泡切れのよさの追求のみならず、さらなる洗浄力の強化にも取り組んだと聞きました。
大村:めざしたのは、油でギトギトのフライパンでも、洗剤を何度もつけたすことなく、長持ちするたっぷりの泡でさっと洗い、一気に洗い流すこと。キュキュットがこれまで大切にしてきた「環境を考えた節水」に加えて、食器用洗剤の本来の目的である「快適な食器洗いの実現」にも徹底してこだわりました。
油汚れと聞くと、液体の油を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実際に食器につく油は、お肉の脂身のような固体脂も含まれます。固体脂は、冷えて固まってしまうと、落としにくくなります。今回のキュキュットでは、こうした固体脂に対してもより高い洗浄力を発揮するよう改良を加えており、生活者の皆さまからは「洗い直しの頻度が減った」*とのお声をいただいております。洗い直しの分だけすすぎの水量が増えるため、洗浄力の向上は、結果として節水にもつながると考えています。
*2021年7月 花王調べ N=60
困難を乗り越えながら、開発を成し遂げていく原動力とは?
——日々大変な研究を重ねながら、開発を成し遂げていく原動力は何ですか?
大村:私たちの研究部署のみならず、関連部門全員が、「お客様の生活をもっとラクにしたい」「毎日を前向きに過ごしていただきたい」という気持ちを共有していることが、大きな原動力となっているように感じます。
私の個人的なことでいえば、忙しい母の背中を見ながら育ち、「家事って大変そうだな」と子どもながらに思ったことも影響していますね。キュキュットの開発を通して、家事負担の軽減に貢献したいという強い想いがあります。
実際、「育児や仕事などをしながら限りある時間の中で、食器洗いの負担を軽減できた」*という喜びのお声をいただくと、私自身のモチベーションアップにつながります。
*2020年9~10月 花王調べ N=208
無理なく節水ができるようなライフスタイルに貢献したい
——環境に配慮し、家事の時間も減らして、人々の暮らしが豊かになるという好循環をつくっていらっしゃるんですね。そんな大村さんご自身の今後の目標は何ですか?
大村:清潔な食器で、好きな料理を食べることは、明日への活力になりますよね。そのために、いつ誰が使っても、どんな汚れでも、失敗することなく簡単に落とせるような食器用洗剤を開発していきたいです。
また、生活者のエコ活動に対して、一緒に歩んでいきたいという想いもあります。皆さんが普段の食器洗いで、無理なく節水できて、自然とエコな生活を送ることができている。キュキュットの開発を通して、そんなライフスタイルに貢献できればうれしいです。
編集後記
花王は現在、持続可能な社会の実現に貢献する企業姿勢や取り組みを「もったいないを、ほっとけない。」というメッセージでお伝えしています。今回はテレビCM「もったいなインタビュー」のコップさんとスプーンさん篇、フライパンさん篇のテーマ、「すすぎの水がもったいない。」について、そのワケを紹介しました。
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