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廃棄せざるをえなかった化粧品が、“アップサイクル絵具”に生まれ変わる

みなさん、こんにちは! 花王 公式note編集部です。

今回は、花王が化粧品廃棄削減の活動の1つとして参加している、"捨てざるをえなかったメイクアップ化粧品をアップサイクル絵具として生まれ変わらせる”取り組みをご紹介します。

この活動は、株式会社コーセー(以下コーセー)さんとの「サステナビリティ領域での協働」の第一弾としてスタートしています。
株式会社モーンガータ(以下モーンガータ)さんの、“使われなくなってしまったメイクアップ化粧品を再生利用し、絵具製造・販売する取り組み”に、花王も賛同。すでに活動を始めていたコーセーさんに続き、今春より、モーンガータさんに、研究所における品質追求・品質管理の過程で、最終的に商品にならなかった化粧品の提供を始めました。

そしてこのたび、花王が提供した化粧品でつくられた、初めてのアップサイクル絵具「SminkArt(スミンクアート)ときめくペイント」が完成!花王の最新ビューティ情報の発信拠点である「BEAUTY BASE by Kao銀座店」で実施された人気イラストレーターWALNUTさんとコラボレ―ションした新商品イベントにて、この絵具を用いた塗り絵体験会を行ないました。
花王のメイクアップ化粧品が絵具にアップサイクルされ、イベントで活用されるまでの道のりを、実現に向けて奮闘した2人の社員の熱い想いと共にご紹介します。

化粧品が絵具に?!用途を変えて違う魅力を持つモノに生まれ変わらせるアップサイクルとは?

花王の化粧品由来の「SminkArt ときめくペイント」

「リサイクル」は“使い終え廃棄されたものを原料に戻し、資源として再利用する”こと。一方、「アップサイクル」とは“元のモノを活かしつつ別の用途に作り変え、いままでとは違う魅力を持つモノに生まれ変わらせる”こと。モーンガータさんが作り出す「SminkArt ときめくペイント」は、これまでは捨てられていたメイクアップ化粧品が、絵具という全く別のモノに生まれ変わった、まさに「アップサイクル」商品です。アイシャドウなどのメイクアップ化粧品を原料としているので、パールによるきらめきなど化粧品ならではの綺麗な色や質感があり、通常の絵具とは一味違う彩りを楽しむことができます。同じ色でも濃淡は様々で、研究所での品質追求・品質管理の過程で最終的に商品にならなかった化粧品を都度用いるため、まったく同じ色、質感の絵具を繰り返し作ることはできません。そのため、唯一無二の色と出会えることもアップサイクル絵具の魅力の一つです。

“もったいない・・・”という気持ちが救われた。アップサイクル絵具の実現に向け奮闘した社員をインタビュー!

この取り組みを実現させるために奮闘した、2人の社員をインタビューしてきました!

モーンガータさんとの協働を進めた永井

<プロフィール>
永井 裕子(ながい・ゆうこ)
化粧品事業部門 商品事業開発センター 商品開発戦略部
メイクアップの研究開発を経て、2021年より化粧品商品開発、サステナブル活動の推進に携わる

研究所でメイクアップ化粧品を提供する作業を進めた原口

<プロフィール>
原口 いずみ(はらぐち・いずみ)
メイクアップ研究所 ポイントメイクチーム
アイシャドウの商品開発に従事 環境に配慮したアイシャドウをテーマに研究をしている

――どのようにモーンガータさんと協働を始めたのですか?

永井:コーセーさんとサステナビリティ領域での協働を開始したことが、最初のきっかけです。そこで、すでにコーセーさんが参加されていたこの活動に、ぜひ私たちも加わりたいと思うようになりました。ただ、花王にとって、化粧品の中身をアップサイクルするということも、“絵具”に生まれ変わらせるということも、初めての試みでした。そのため、まず自分自身がこの取り組みを深く理解することから始めました。そのうえで、丁寧な説明を重ねながら社内での協力をあおぎましたが、私の想像以上に絵具へのアップサイクルという新たな試みへの関心が高く、各部署の前向きな協力を得ながら、モーンガータさんとの協働をスタートすることができました。

――原口さんはこの協働が始まる以前からモーンガータさんの取り組みにご興味があったと伺いました。

原口:はい、そうなんです。メイクアップ化粧品を作るためには、目標通りの完成品が出来上がるまでに、色を細かく調整した試作品を何度も作りますが、その過程の試作品は廃棄せざるを得ず、もったいないなあ、別のものに利用できないかなあと常々感じていました。そんなとき、モーンガータさんの取り組みを知り、まさに自分がやりたかったことだ!と思い、すぐに研究所のメンバーに情報を共有しました。それ以来、陰ながらモーンガータさんの活動を応援していたので、この協働が開始し、自ら表立ってアップサイクル絵具に協力することができたときはとても嬉しかったです!

――モーンガータさんに化粧品をご提供するにあたり、研究所ではどのような作業工程があるのですか?

原口:商品が完成する過程で試作した、アイシャドウなどの粉状のメイクアップ化粧品がご提供の対象となるのですが、これらを1色ずつひとつの袋に入れます。同じピンク色でも試作品ごとに微妙に色が異なるため、一緒くたにはせず一色ずつ仕分けし、リストにまとめておきます。これは通常の廃棄時には発生しない作業のため、チームメンバーにも負担となるのですが、“ただ捨てるだけではもったいないって私も思っていた。再利用できるようになってよかった!”と、協力してくれています。自分と同じ気持ちでいてくれていることが嬉しかったです。

――実際に出来上がったアップサイクル絵具をご覧になってどう思いましたか?

永井:色や質感に、普通の絵具とは異なる深みがあり、その繊細なニュアンスに感動しました。自分たちは、そんな独特の美しさを持つ商品に携わっているのだと改めて気がつきました。

原口:捨てざるを得なかったメイクアップ化粧品が付加価値を得て生まれ変わり、別の形で使われるようになることで、商品の完成までに何度も試作を繰り返すときに感じていた“もったいない・・・”という思いから救われたような気がしました。改めて、コスメが絵具になるというコンセプトが素敵だなと思いました。

――どのようにして、今回のBEAUTY BASE by Kao銀座店でのイベントに繋がったのですか?

永井:この取り組みを始めた時に「アップサイクル絵具」の取り組みを紹介するためのイベントを行なうのではなく、花王の化粧品をご紹介する場に花を添えるような形で、自然な流れでアップサイクル絵具を手に取っていただき、この取り組みを知っていただく機会がつくれたらと思っていました。そのような機会を探していたところ、BEAUTY BASE by Kao銀座店でイラストレーターさんとのコラボレーションイベントがあることを知り、これはチャンス!とアップサイクル絵具を紹介しました。そこから、“では、イラストにアップサイクル絵具で塗り絵をするのはどうですか、来場されたお客さまにも、絵具を楽しんでいただきましょう”、というように企画がどんどん広がっていきました。

――今後どのようにこの取り組みを発展させていきたいですか?

永井:この取り組みの発展はもちろんですが、花王は、サステナビリティの視点を強く持ってモノづくりをしているということが、お客さまへの日々の化粧品のご紹介の中で自然な形で伝わっていけば嬉しいです。また、化粧品以外の場でも興味を持って活用してもらえるよう、社内でもこの取り組みの認知を広げていきたいです!

原口:そうですね!これからもよろしくお願いします!

――お二人ともありがとうございました。


人気イラストレーターWALNUTさんが来店!アップサイクル絵具を使ってイラストを色づけ♪サステナビリティを考えるきっかけにも。

2022年6月22日(水)から7月31日(日)までBEAUTY BASE by Kao銀座店にて、人気イラストレーターのWALNUTさんとコラボレーションし、エストの新商品体験イベントを実施しました。ウィンドウや店内にWALNUTさんが「SminkArt ときめくペイント」を使って色づけをしたイラストが登場し、ご来店いただいたお客さまにもアップサイクル絵具を使った塗り絵を体験して頂きました。
7月16日(土)にはWALNUTさんご本人が来店するスペシャルイベントも実施。

アップサイクル絵具を使ってイラストに塗り絵をする人気イラストレーターWALNUTさん

――WALNUTさんに聞いてみました!

アップサイクル絵具を使用した感想をお伺いすると、「水彩絵具のような使用感に化粧品のラメ感がプラスされていて楽しい。無駄をなくし、また違った楽しみ方を提供できるというのはとても良い取り組みだと思います。メイクをすることと絵を描くことには、“描く”という共通点があるので、そこも面白いなと思いました。今後も使ってみたいです。」と語ってくださいました。

パネルにアップサイクル絵具を使って色づけをしているWALNUTさん

親子でアップサイクル絵具を使った塗り絵体験をされていたお客さまは、「不要になったモノをアップサイクルするというのはとてもいい取り組み。サステナビリティについて子供と話すきっかけにもなると思います。塗ってみるまでどういう色がでてくるかわからないところも楽しいです。」と話してくださいました。
化粧品のご紹介を盛り上げるプログラムとして実施した「アップサイクル絵具」による塗り絵体験。永井さんと原口さんの想いの通り、自然な形でサステナビリティを考えるきっかけにも繋がりました。

編集後記

捨てられるはずだったものが、誰かに喜んで使ってもらえるものに生まれ変わる“アップサイクル”って、とても素敵な取り組みだなと思いました。“アップサイクル絵具”を開発したモーンガータさん、参加のきっかけを与えてくださったコーセーさん、花王のメイクアップ化粧品をアップサイクル絵具にするために奮闘した社員。それぞれの“もったいないを、ほっとけない”という想いが、この取り組みには詰まっているのだと感じました。



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